数追いを終えて

『信じるのよ。さっきも言ったでしょ?信じていれば怖いことなんて何もないのよ。楽しい思い出や、人を愛したことや、泣いたことや、子供の頃のことや、将来の計画や、好きな音楽や、そんな何でもいいわ。そういうことを考えつづけていれば、怖がることはないのよ』

 

村上春樹ー「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

 

 


7月

 

ちょうど梅雨の残党が去って、蝉が鳴くか鳴かないかの時期

 

気候もぎりぎり過ごしやすくて、七夕や夏祭りなどイベントも多い

 

僕にとって一年でもTop3には入る好きな月だ

 

そんな素敵な月に地獄の企画を立てた

 

数追い

 

街を這いずり回った一ヶ月

睡眠時間が平均して4時間だった一ヶ月

 

今回はそんな2022年7月を振り返ってみたい

 

お話の流れ

 


数追いを始めた理由

 

僕は小さい時から限界に挑むことが好きだった

 

小学校の時には習い事で熱中症になるまで練習に明け暮れたし、勉強だって文字通り24時間耐久学習をしたこともある

 

もちろん1日で何回自家発電できるかも挑戦した(結果は9回)

 

そんな僕にとってストでもスタンスは変わらなかった

 

どこまで自分はできるんだろう

終わってから僕は何を思うんだろう

 

自分の限界が知りたいという、単純な思いつきで数追いを始めてみる事にした

 

目標は20即

 

今までは10即が限界だったので、自分なりに達成できるかぎりぎりの目標に設定した


一ヶ月の流れ

ここからは具体的な一ヶ月を簡単に振り返る

 

7/1 (金) 😇  可愛くて幸先よかった

7/2 (土) 😇  巨牌で満足度高い

7/3 (日) ボズ

7/4 (月) 睡眠不足により車をぶつける、華麗にボズる

7/5 (火) 😇  二日連続でボズって死んでたがメンタル回復

7/6 (水) ボズ

7/7 (木) お休み

7/8 (金) 😇 

7/9 (土) GT😇

7/10 (日) 😇

7/11 (月) ボズ

7/12 (火) ボズ

7/13 (水) お休み

7/14 (木) ボズ

7/15 (金) GT😇

7/16 (土) 😇

7/17 (日) 😇😇

7/18 (月・祝) 😇😇 某国ハーフ即

7/19 (火) お休み

7/20 (水) お休み

7/21 (木) お休み

7/22 (金) 帝都イン、リア友合コン😇←ノーカン

7/23 (土) 😇😇😇 帝都ハットトリック、クォーター・🐷・異国人

7/24 (日) 😇

7/25 (月) ボズ

7/26 (火) お休み

7/27 (水) 😇

7/28 (木) お休み

7/29 (金) 😇  可愛い普段即んない層

7/30 (土) 😇😇

7/31 (日) 😇 🐷で締める

 

合計 23出撃/21即

無事に目標は達成できた

 

基本的に毎日出ようとしていたのだが、仕事で出撃できないことや体力グダ(3日ぐらい)でこのくらいの出撃数となった

 

やる前からしんどいだろうな、とは思っていたものの実際結構大変だった

(体力グダ、足痛いグダ、睡眠不足グダなど)

 

ただし月の最初〜折り返し地点まではキツさを感じやすかったが、月の後半は体がこのライフスタイルに慣れ、あまり辛くなくなった


忘れられない思い出

・初日にスト高即

あまり自分が普段声をかけない仕事前の可愛い風系ギャルをホテ搬

 

冒険心はあって刺さってもいたけど出勤前にしたくないグダ

 

笛で1発射し、その後ノー賢者モードでギラつき、女の子も物足りなかったのかなぜか即れた

 

精力の強さで即れた案件だった

 

・高須先生に煽られる

多分10即目ぐらいの時に街で偶然遭遇した高須先生

twitter.com

一緒に徘徊しながら地蔵トーク

 

完全に応援してもらえてると思っていたので暖かい言葉をかけてもらえると期待してた

 

僕も少し疲れてたのもあり、少し長めに地蔵トークをする

 

すると、マインドが低くなっているのを見越してか、もう月も折り返してたのに目標数の半分ぐらいだったこともあってかのことだろう

 

「実際ちょっと厳しいじゃん、ほんとに達成できんの?」

(ちゃんと覚えてないけどこんなことを言われた)

 

久々に他人からちゃんと煽られた

 

「達成できるに決まってるじゃないですか、僕が自分を信じられなくてどうするんすか」(早口チー牛オタク風)

 

咄嗟に言葉が出てきた

 

僕だって達成できるか半信半疑だったことのは否定しない

それでもここまでアツくなれてる自分がいて、どこか嬉しかった

 

すかさずその後僕はソロ子に声掛けに走る

 

ありがとう、高須先生

あそこで気合い入れ直しました

 

・帝都GT

数追い期間中に仕事で帝都にいく予定があった

 

この遠征で僕はどうしても会いたい人がいた

 

イノヲさん

twitter.com

服部さん

twitter.com

以前🦉でご挨拶させて頂いた二人が偶然にも同じ月に数追いをしていた

 

同じ苦労を同じ時期にしているなんてなかなかない

 

まずは夕方にイノヲさんにご挨拶

 

kp後とんでもない案件(意味深)に声掛けに走るイノヲさん

 

あの背中を目に焼き付け、僕も爆裂声掛けをし、無事にハットできた

 

AM6:00

偶然イノヲさんに再び合流し、そこに服部さん、ベイブルーさんも合流

 

朝からみんなでたわいもない話をできただけでとても幸せな時間だった

 

イノヲさんが見せてくれた、あのモモンガのような腕を僕は一生忘れないだろう

 


数追いに必要なもの

自分が一ヶ月やってみて大事だなと思ったもの

・戦い方

・仲間

・体調管理

・性欲

順に解説していきたい

 

戦い方について

まず月の初めは固定オープナー×無限ローラーをしようとしていた

だが4日目あたりでローラーでは即れない層にかける労力が勿体無いし、体力も無駄にすることに気付いた

特に牛タンはGT(朝5時のガルバ終わりタイム)がアツいので、この時間まで体力は残しておきたい

そこで僕は声掛け数を絞り、体力を温存する作戦に変更した

一般的に数追いは無限ローラーが基本だと思うのでリスクはあったが、地方都市の場合はオープンはすれど連れ出せないことも多いので躊躇なく変えた

結果、毎出撃だいたい1即あたり15声に落ち着いたと思う

一ヶ月という時間に余裕のある企画なので、自分に合ったやり方を探すことが大切だと感じた

 

仲間は言わずもがな、クガちゃんには頭が上がらない

twitter.com

きっと彼がいなければ、僕は途中でやめていただろう

5月頃、数追い月間に誘った時はクガちゃんも僕がノリで言ってるだけだと思ったはず

その後、わんこそば遠征などを通してクガちゃんの方が気合いが入ってきているような気がして嬉しかった

結果、彼は26即

15即ぐらいまではライバル意識あったけど途中から尊敬の眼差しで見てた

お疲れ様でした

他にも一緒にコンビしてくれた雑兄貴、いつも気遣ってくれたランボちゃんなどたくさんの人に支えられて達成できた

本当にありがとうございます

 

次に体調管理

これは数追いをするに当たって一番大事だと思ってやっていた

寝れる時は8時間は寝る

栄養のあるものを食べる(自分は発酵食品多めだった)

結果としてこれらを続けることで肌も大荒れする事なく過ごすことができた

ある意味修行僧のようなひと月だった

 

そして最後に性欲

僕の場合、基本全てで写生した(場合によりおかわりした)

あまりみんなは言及してないけど、実はかなり大切

写生することで女の子が満足→感謝される→モチベ上がるという良いループに乗れた

数追いをする皆さんはちゃんと写生しましょう

ちなみに精力増強のためにはエビオスがお勧めです

www.amazon.co.jp

 


終わってから思ったこと

まず感じたことは

数追いしたくらいでいきなり人間性が変わることはないということ

 

試行回数が増えたとはいえ、人間の根本が変わるわけではない

 

ただし、自分が得意なこと・苦手なことははっきりとするので、なんとなくの対応策がわかるようになった

 

そしてこのちょっとした自分自身のTipsを積み重ねることで、自分の中の壁を越えていけた

 

そして僕がこの一ヶ月で一番感じたこと

 

それは

 

世界の解像度が上がったこと

 

これは僕が好きな公家シンジさんがブログで使われてたフレーズ

 

https://qqille.hatenablog.com/entry/20130809/1376067013

(もう読めなくなってて悲しい)

 

数追い中はよくわからなかったが、8月初めの週末に出撃した時に実感した

 

この子は時間がある、この子は格好が即系だけど隙がない

この子は格好は非即系だけど隙がある

 

女の子と話している時も目線や仕草・声のトーンで食い付きがあるか少しわかるようになった

 

それだけでなく、街の全体的な雰囲気の良さとかも感じるようになってきた

 

もちろん食い付きを感じていても、盛大に負けることはあるけれど😇

 

これについてはいつかちゃんと言語化したい

 


最後に

 

あなたは人生で何度、バカらしいことをしてみたことがあるだろうか

 

数追い

 

言ってしまえば即るまでは帰らないというだけのこと

 

その誰でもわかることを1ヶ月ほぼ毎日続けられる人がどれだけいるのだろうか

 

それには自分を信じる気持ち、仲間、色んなものが大事になってくる

 

この記事を読んで数追いに興味が湧いた人にはぜひやってみて欲しい

きっと1ヶ月後には少し世界の見え方が変わってるはず

 

そしてこの一ヶ月に出会えた女の子に感謝

 

 

勃起

あなたは何を望みますか?

『失礼なことを言うようですが、限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか』

 

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の旅」


 

 

人は何を求めてストリートナンパをするのだろう。

愛、名声、美人。

人によって求めるものは様々だ。

僕がストナンで求めるもの、それは

 

 

 

 

おっぱいである。

 

 

青春時代をほぼ男子校で過ごした僕にとって、女性のおっぱいとは世界の神秘の一つだった。

 

去年の大掃除で高校時代の日記を発掘したが、年次目標のところには「巨乳たぬき顔清楚先輩で童貞卒業する」と書かれていた。

(結局貧乳ギャル同級生で童貞卒業した)

 

この世界に入ってからも

「巨乳であればどんなタゲであれ声を掛ける」

ということをマイルールに活動している。

 

昨年の某クラスタお別れ杯でのロボコップぴえんも、クリスマスの口臭豚骨サンタコスも、揺るがない巨乳センサーがもたらしてくれた即だった。


 

5月某日

タイムラインに一件のツイートが

 

 

ニコさん

僕がこの界隈に入ってからずっと憧れていたpuaの1人。

そんな彼が牛タンに来ているとなれば、会わないわけにはいかない

すかさずDMで合流申請した。

 

 

 

GW連日の出撃の疲労により会うことを少し躊躇うが、会ってみたい誘惑が打ち勝ち、次の日昼からイン。

 

 

ついにニコさんとkp

ニコさんは想像通りスマートで優しい、そして飲酒をこよなく愛すpuaであった。

 

乾杯

 

 

乾杯

 

 

乾杯

 

 

高須先生も合流

 

乾杯

 

13時になる頃には泥酔pua達が爆誕していた。

 

頃合いになり各々声掛けに走る。

 

牛タンは昼から活動するスト師が少ないため、基本フルオープンである。

 

5声掛けほどした時に左の方から巨乳巨体タゲが出現。

 

 

みんなで顔を見合わせるが、すかさず僕が声掛け

 

なぜかフルオープンしてしまい、路上手繋ぎまで通ってしまう

 

コンビニ連れ出し

レンルーに搬送

 

エレベーターでキスまで通る

 

ガチ時間ないグダでレンルー前で負けww

 

 

その後はなかなか連れ出せず、時間が過ぎてしまう

 

 

フラフラしていると一件のラインが

 

高須先生「某田舎にニコさん送りに行こうよ」



某田舎、名前は知っているが人が住んでいないことだけはなんとなくわかる。

 

牛タンクラスタのモットーは遠征者を徹底してもてなすこと

 

ノーグダで誘いに乗る。

 

高須先生号いん

 

 

車内ではpua談義に花が咲く。

どういう経緯でストを始めたか、どんなタゲ狙いか、さながら男子校のロッカールームトークである。

 

 

ニコさんが凄腕な理由がよくわかったし、長く活動を続けれる理由もよくわかった

 

さすがの飲酒により束の間の爆睡をかましていたら、某田舎着

※これよりかは全然田舎

 

 

駅前コンビニ着したが駅前でこの人の居なさはやばい

 

ひとまずkpしようとコンビニイン

 

各々買い物を済ませて駅前に移動しようとした所、女の子の影が。

 

ニコさん

「マグロちゃん、あれ行ってみてよ」

 

僕の目には刈り上げヘアーのリヴァイ兵長激似女の子が映った。

(以下リヴァ子)

 

さすがの僕でもリヴァ子は厳しいのでは、、と言いかけたが、よく見ると

とんでもない激シコボディではあるまいか

 

すかさず下車し声掛けに走る。

 

フルオープン

 

よく話を聞くとリヴァ子は出張で近くのホテルに泊まっているとのこと。

 

仕事終わりに食事を取ろうとしたが、どこも空いていなくて手持ち無沙汰であった。

 

スト師からしてみたらこれ以上ないチャンス、すかさずコンビニに連れ出す。

 

購入してコンビニを出たが…

 

 

動線全くわからないww終わったwww

 

頭の中をフル回転させる。

 

「この子は旅行者、となるとこの子のホテルにヨネスケしかない!」

 

リヴァ子は迷う事なく歩き出したため、ホテルに向かっていると判断し並行トーク

 

 

リヴァ子はほぼ男性しかいない職場で働いており、出会いはほぼなかった。

 

そして学生時代も男性の少ない環境にいたため、今まで付き合った男性もいなかった。

 

jojo

 

僕自身vsjojoは得意な方だと信じていたが、あくまでアラツーの場合。

20代中盤のjojoは未知の領域である。

 

純朴な良い子であったのでトーク自体は弾む。

 

 

しかし全然リヴァ子が足を止める気配が見えない。

 

嘘だろ、もう3キロ近くは歩いてるぞ…

 

並行トークの途中で時々ニコさんと高須先生が様子を見に来てくれたが、二人には僕の悲壮感あふれる表情を見せつけていたと思う。

 

やっとリヴァ子が足を止める。

 

ホテルは近くにある様子、ここは直ヨネ打診しかない。

 

リヴァ子「私名義のホテルだから他の人は入れられませんよ〜」

 

負けるwww

 

 

だがここで諦めないのがpua

 

すかさず近くに座れるとことを見つけ和み直す。

 

リヴァ子だって自分のjojoを受け入れていたわけではなく、アプリなど使ってみたがうまくいなかったし、これが私の人生だと受け入れていた。

 

リヴァ子には妹がいて妹はかなり恋愛経験豊富そうであった。

妹にも煽られ少しリヴァ子も焦っていた。

 

僕の頭のナンパアラームが鳴り響く、こういう時のために最短で最善の答えを導き出すために街に出てたんだと気づく。

 

「きっとさ、いつかリヴァ子も家庭を持って幸せになるんだと思う」

「リヴァ子は人に教えることが好きそうだし、きっといいお母さんになるんだろうな」

「でも本当にそんな関係になりたい人が目の前に現れた時に自分のjojoが原因で積極的になれないのって辛くない?」

 

お母さんルーティン、これは自分の未来の母親姿を相手の脳裏にありありと浮かばせることでしっかりワークする。

 

手繋ぎしてもグダは出ない。

 

 

「ここだったら二人きりにちゃんとなれないから移動しよう」

 

リヴァ子「うん//」

 

そこから二人でラブホテルを探すがなかなか見つからないww

田舎あるあるだが山奥にあるラブホ団地を見つけタクシー移動。

(田舎すぎてタクシーさえ全然走ってなくて結局呼んだ)

 

布袋ん

 

仕事終わりだったリヴァ子にシャワーを浴びさせる。

 

風呂から帰ってきたリヴァ子は女の子の顔をしていた。

 

 

 

期待通りの激シコボディで大満即

 

 

 

帰り際のタクシーでリヴァ子がつぶやく。

 

「人とくっつくことって、こんなに満たされることだったんだね」

 

この界隈にいるとつい一人一人と過ごす時間が雑になってしまいがちである。

でも女の子にとっては唯一の身体を重ねた人間になる可能性もある。

 

リヴァ子思い出させてくれてありがとう。

 

 

 

ホテルに吸い込まれていくリヴァ子の背中をしばし見送った。

 

あなたは何を望みますか?

答えは人によって違うから面白い。

 

 

 

勃起

 

 

PS

こんな素晴らしい機会をいただいたニコさん、行き帰り送ってくれた高須先生には頭が上がりません。ありがとうございました!!

オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。

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『踊るんだよ』
『音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ』

村上春樹ダンス・ダンス・ダンス

 


12月某日。

 

雪が降りしきる牛タンの街。

 

南国生まれの人間にとって、東北の冬は長く、厳しい。

よく雪が降って幻想的などと言われるが、どちらかというとディストピアを想起させる。殺風景なものだ。

明太子時代の僕はこんな寒さならきっと家から出なかっただろう。

人間の慣れは恐ろしい。

 

大きな外見上の強みもない。

ノンバーバルが特別強いわけでもない。

そんな僕が持っている唯一の強みは続ける事だった。

 

 

左前10m先

 

フラフラとした足つきの女の子がこちらに向かってくる。

 

ポケットに突っ込んでた手をこわごわと出して、右足を大きく踏み出す。

 

声をかけるときは

"フワッと"

"ニコッと"

 

これがくろけい一門の教え。

 

どれだけ寒かろうが雪が降ろうが、やることはいつもと変わらない。

 

タゲを選ぶ、声をかける。

 

こんな当たり前の事さえ、牛タンに来る前はろくにできていなかった。

 

 


時が戻る。

4月

 

新生活に心躍らせる僕はとある人にDMを送り、講習をお願いした。

 

 

くろけいさん。

 

僕が界隈入りした時からずっと憧れの人だった。

 

初めて師の音声を聞いたのはTN1の時。

カラオケ内の攻防にリスナーの僕は手に汗握り、即報に歓喜した。

 

その時からいつかはこの人と一緒にストやるまではナンパを続けると決意した。

 

僕は地蔵がひどく、何度もストをやめてネト専門になろうとした。

街に出たのに声も掛けれず5時間ただ街を徘徊、惨めな気分で終電で帰宅していた。

その度にまだ何も成し遂げていないじゃないか、と街にしがみついた。

 

幾年かの月日が経ち、就活で牛タン希望を出し、念願の牛タン生活が決定。

ついにくろけいさんにお会いする日がやって来た。

 

 

「やほー」

 

現れたくろけいさんは僕が思っていたよりずっと話しやすい人で、どちらかというと拍子抜けした部分もあったと思う。

 

そこから二人でずいぶん話をした。

 

仕事の事、今までやってきた事、どうしてストに出会ったか?

 

僕らは似ていた。

ストに出会い、共に流星道場を選んだ時点で似た者同士であったんだろう。

 

くろけいさんの圧倒的な熱量に僕も引き込まれた。

 

 

「マグロくんはわざわざ牛タンにストしに来てくれたんだから目標を作ろうよ。じゃあ、初年度50、2年目で100ね!」

「街に出た時は絶対にイン、アウト書こう。そしたら自分にプレッシャーかかってやる気出るから」

 

僕の今までのストの実力では到底無理だと思った事も、この人が指導してくれるならきっとできる。

そう思えた。

 

 

「さあ、行こう」

 

二人で街に出る

 

「マグロくんあの子いいんじゃない?」

 

すかさず声をかけにいく。

反応はいい。地方都市あるあるだが反応が取れても連れ出しまでの壁が高い。

 

あえなく並行トーク負け。

フィードバックをもらうためにくろけいさんの姿を探す。

 

いない。

 

遥か先に信号待ちの女の子に声かけしに行っているくろけいさんが見えた。

そう、師もまたプレイヤーなのだ。案件をみすみす見逃す人間ではない。

 

 

街に無様に残されたスト師が一人。

 

体に重りがついているようだった。タゲを見つけても一歩目が踏み出せない。

周りの通行人の目がみんなこっちを向いている気がした。

今までだったら地蔵するしかないシチュエーションだ。

 

さっきまでのくろけいさんの姿を思い返す。

ストについて語る時、目標について語る時、師の目はキラキラしていた。

 

僕の目はどうだろう。

死んだマグロの目みたいじゃないか。

 

こんな事しにこの街に来た訳ねえよな。

そもそも自分の選択なんだから。ちゃんと落とし前つけないと。

 

ほんの少し、少しだけ僕の目にも生気が宿ってきた。

 

すかさずタゲを探す。

 

右前5m先

大きなトートバッグを持った女の子

 

認識すると同時に僕は右足を踏み出していた。

 


時は戻って12月某日。

 

暗いレンタルルームの一室

 

「きっとこんな事だろうとわかってたよ。でも声かけてくれてありがとうね」

 

さっきまで一つになっていた女の子が囁く。

 

こちらこそ楽しかったよ

そう呟きながら即報を上げようとスマホを触る。

 

LINEの通知が光る。

さっきバンゲした女の子から返信返ってきたかな

そう思いながら開くと明太子時代の既セクからのLINEだった。

 

「私ついに結婚したんだー!マグロくんも幸せになってね」

 

おめでとう

そう返信を打ちながら僕は実感する。

いつかは終わってしまうのだ。

 

 

踊り続けなきゃ

意味も考えず、体が動く限り

いつか恋愛市場から撤退するその日まで

 

 

 

 

勃起

 

 

PS

くろけいさんは基本的に一対一でちゃんと教えてくれます。ただ生徒の課題によって指導方針が異なり僕は放置気味にやらせてもらってましたwww
念の為wwww